香港・人気モデル殺害 “パラサイト一家”元夫ら逮捕 “11億円豪邸”巡るトラブルか(2023年3月1日)
香港の人気モデルの女性が殺害された事件。パラサイト・寄生するかのように女性の資産を吸い上げていたとみられる元夫の家族が豪邸売却を巡り、殺害を計画したのではと報じられている。
■“切断された遺体”で発見…元夫ら5人逮捕
黒のドレスに身を包み、カメラを見つめる女性。香港で、モデルやインフルエンサーとして活躍する、蔡天鳳さん(28)だ。
高級ファッション紙のモデルを務め、パリのファッションショーの常連だった蔡さんは、変わり果てた姿で見つかった。
先月24日、香港北部の村で切断された遺体で発見されたのだ。
香港警察:「冷蔵庫の中にも遺体の一部がありました。そしてIDカードやクレジットカードなど被害者の所有物も見つかっています」
殺人などの容疑で逮捕されたのは、蔡さんの元夫と、その家族ら5人。事件の背景には、およそ11億円の豪邸を巡るトラブルがあったという。
■元夫の母・元夫の父親の愛人も“捜査妨害”で逮捕
香港で、モデルの蔡さんが殺害された事件。香港メディアによると、蔡さんは先月21日、子どもの迎えに来るはずが現れず、行方不明となっていた。
そして、その3日後、香港北部の村にある、建物の冷蔵庫などから、蔡さんのものとみられる遺体の一部が見つかった。
蔡さんの友人:「あんなにいい人で、愛にあふれていて、ピュアで、悪いことをしない人が、こんなふうに殺されるなんて。心が沈んで、夜も眠れません」
そして、遺体発見の翌日には…。
地元メディア:「被害者の元夫とその両親、兄が逮捕されました」
これまでに逮捕されたのは5人。蔡さんの元夫、そして、元夫の父親、元夫の兄の3人は、殺人容疑で逮捕。さらに、元夫の母と、元夫の父親の愛人は、捜査を妨害したなどとして、逮捕されている。
■金銭トラブルか…地元メディア“パラサイト一家”
蔡さんは、なぜ殺害されたのか。地元メディアは、次のように報じた。
地元メディア:「警察は、金銭トラブルが事件の背景にあるとみています」
事件の背景にあるとされるのが、蔡さんが購入したおよそ11億円の豪邸だ。元夫の一家は、蔡さんと離婚した後、その豪邸に暮らしていたという。
香港メディアは、逮捕された5人を寄生族、“パラサイト一家”と呼んでいる。
■“11億円”豪邸…節税対策で「元夫の父」名義に
この事件、被害者の蔡さんの元夫をはじめ、その家族が次々に逮捕されるという複雑な事態になっている。
まずは、事件前までの蔡さんと事件に関わっている人物たちについて見ていく。
香港メディア「明報」によると、蔡さんは2012年に今回逮捕された元夫と結婚するが、その3年後に離婚。2人の子どもの親権は、元夫が持つことになったそうだ。
こうした事情もあるのだろうか、蔡さんは離婚後も元夫とその家族の経済的な面倒を見ると約束していたという。
そして、離婚した翌年の2016年、蔡さんは現在の夫と再婚し、その3年後におよそ11億円の豪邸を購入した。
ただ、この豪邸には元夫とその兄、そして元夫の両親が居住していて、名義は元夫の父親になっていたと、香港メディアは報じている。
経済的な面倒を見るという約束はあったものの、なぜ名義まで与えたのだろうか。
実は蔡さんは、自身が居住する不動産をすでに所有していて、2軒目以降の不動産を購入する場合、税金が高額になるため、元夫の父親名義にしたと報じられている。これにより、1億4000万円ほどの節税になったそうだ。
しかし、去年、この豪邸を巡ってトラブルがあり、事件へと発展していってしまう。
■計画的犯行か…元夫の兄“個人運転手”として雇用
では、そのトラブルについて詳しく見ていく。
地元メディアによると、蔡さんは元夫家族との関係を遠ざけたいと考え、去年の暮れにおよそ11億円の豪邸の売却を決めたそうだ。
その代わりに元夫家族には、およそ2億円の家を用意したというが、これは11億円の家を売って、少しでも資産を回収したかったからともみられている。
この蔡さんの動きに対して激怒したのが、豪邸の名義人となっている元夫の父親だったそうで、蔡さんと口論になったという。
そしてこれがきっかけで、この父親が首謀者になり、蔡さんの殺害が計画されたのではないかと地元メディアは報じている。
今回の事件は計画的と言われているが、その理由は、元夫家族が蔡さんに対して、元夫の兄を蔡さんの個人運転手として雇うよう勧め、蔡さんが承諾。そして、事件当日に蔡さんを殺害現場となった家に連れて行ったのは、この兄だったそうだ。
さらに、その殺害現場となった家は、元夫の父が先月借りたばかりの物件だったという。
ただ、逮捕された元夫家族は、なぜ蔡さんを殺害しようとしたのか、そこにはこんな理由があったようだ。
■元夫との子ども2人に“財産分与の権利”が…
地元メディアによると、蔡さんは2016年に再婚したとされているが、実は、式は挙げたものの、婚姻届は未提出だったそうだ。
そうなると、仮に蔡さんが亡くなった場合、法的には元夫との間の2人の子どもに財産分与の権利があるということだ。
先ほどお伝えしたように、この子どもたちの親権は元夫が持っているので、事実上、元夫家族に財産が渡ることになる。
地元メディアは、元夫の父親の計画は、殺害後に遺体を処分し、行方不明という形をとり、その数年後に死亡認定してもらい、財産分与の請求をして蔡さんの資産を手に入れようとしたのではないかと分析している。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年3月1日放送分より)
[テレ朝news]